USEN―NEXTグループは3月24日、USEN―NEXTツーリズムデザインラボ無料ハイブリッドセミナー「インバウンド再始動に向けた地域の観光イノベーション」を東京都品川区の同グループ本社カンファレンスルームで開いた。対面とオンラインで約130人が参加した。
観光庁外客受入担当参事官の廣田健久氏が「観光庁の最新インバウンド再始動施策」で基調講演。観光予算主要事項について、「高付加価値で持続可能な観光地域づくりに1582億円、インバウンド回復に向けた戦略的取り組みに512億円、国内交流の拡大等に216億円、国内交流の拡大等に216億円を計上している」と説明した。
また、インバウンド向け512億円の内訳については、(1)インバウンド回復の起爆剤となる特別な体験コンテンツ等の創出を目的とする「観光再始動事業」(2)歴史的資源、自然、スノーリゾート、ガストロノミーなど「全国津々浦々の観光資源の磨き上げ・環境整備」(3)戦略的な訪日プロモーション(4)地方における高付加価値なインバウンド観光地づくり―と紹介した。
事例紹介では、福井県坂井市のDMOさかい観光局専務理事の江川誠一氏、三重県桑名市の桑名商工会議所専務理事の森下充英氏がそれぞれ登壇した。
江川氏は、観光庁の「域内連携事業」をきっかけに「福井県広域ウェルネス推進協議会」を坂井市、あわら市、永平寺町でUSEN―NEXTグループの事務局サポートのもとに組成し、「ウェルネス」コンテンツと「食」コンテンツの磨き上げと情報発信に取り組んだ事例を紹介。
森下氏は、「桑名ハイカラツーリズム協議会」を桑名商工会議所、桑名市、桑名観光協会で同様にUSEN―NEXTグループの事務局サポートのもとに発足させ、桑名の映えスポットを結ぶ「桑名ハイカラルート」と同ルートを周遊しながら楽しめる「食べ歩きスイーツ」を開発した事例を紹介した。
宿場町の風情が残り潜在的な観光コンテンツが多いにも関わらず、伊勢志摩観光やナガシマリゾート利用客の通過地点となってしまっている桑名の市街地に若年層やインバウンド客を取り込み、回遊させる仕組みづくりに取り組んだと話した。
事例紹介で発表する桑名商工会議所の森下専務理事